軽自動車のサイズ規格とは?購入するメリットや必要な駐車場の寸法まで徹底解説
2022.02.09
軽自動車と聞くと、普通乗用車よりもコンパクトな車をイメージする方は少なくないでしょう。しかし、具体的なサイズをご存じでしょうか。
実は、軽自動車のサイズ規格は時代とともに変化しています。
この記事では、軽自動車のサイズ規格や購入のメリットを解説します。併せて、駐車に必要なスペースも紹介しますので、軽自動車購入や駐車場選びの参考にしてください。
軽自動車のサイズ規格とは
黄色いナンバープレートを装着している軽自動車は日本独自の規格であり、海外に同じ規格はありません。軽自動車に該当するかどうかは、次の4つの基準で区別されます(2021年9月時点)。
- 全長:3.4m以下
- 全幅:1.48m以下
- 全高:2.0m以下
- 排気量:660cc以下
この範囲内であれば軽自動車に該当しますが、どれか一つでも超過すれば普通乗用車の扱いになります。
軽自動車のサイズ規格は時代とともに変化している
軽自動車の規格は、時代にとともに何度も改定されています。軽自動車の規格が誕生したのは1949年で、当時は全長が2.8m以下、全幅が1.0m以下、全高が2.0m以下、排気量が150㏄以下と、現在よりもサイズが小さく、排気量も少ない規格でした。
その後、軽自動車の普及や排出ガス規制の厳格化、普通乗用車に準じた安全規格の適用などによって改定を繰り返し、現在の規格に至っています。
なお、規格サイズ改定の流れは表のとおりです。
年 | 軽自動車規格 | 改定内容 |
---|---|---|
1949年 | 全長:2.8m 全幅:1.0m 全高:2.0m 排気量:150cc(2サイクル車は100cc) |
軽自動車の規格が設けられる |
1950年 | 全長:3.0m 全幅:1.3m 全高:2.0m 排気量:350cc(2サイクル車は200cc) |
軽自動車に、二輪、三輪、四輪の区別が設けられる |
1951年 | 全長:3.0m 全幅:1.3m 全高:2.0m 排気量:360cc(2サイクル車は240cc) |
排気量拡大 |
1955年 | 全長:3.0m 全幅:1.3m 全高:2.0m 排気量:360cc |
4サイクル車と2サイクル車の区別を廃止し、排気量が統一される |
1976年 | 全長:3.2m 全幅:1.4m 全高:2.0m 排気量:550cc |
長さ、幅、排気量が拡大される |
1990年 | 全長:3.3m 全幅:1.4m 全高:2.0m 排気量:660cc |
長さ、排気量が拡大される |
1998年~現在 | 全長:3.4m 全幅:1.48m 全高:2.0m 排気量:660cc |
長さ、幅が拡大される |
軽自動車のサイズはどれも同じ?
一口に軽自動車といっても、各メーカーからさまざまな軽自動車が販売されています。一見するとサイズが大小あるように感じるかもしれませんが、実は全長と全幅はどの車も同じです。
以下、代表的な軽自動車のサイズを紹介します。
メーカー | 車種 | 全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|---|---|
ダイハツ | ミライース | 3.395m | 1.475m | 2WD 1.5m 4WD 1.51m |
タント | 3.395m | 1.475m | 2WD 1.755m 4WD 1.775m |
|
スズキ | ワゴンR | 3.395m | 1.475m | 1.65m |
ハスラー | 3.395m | 1.475m | 1.68m | |
日産 | ルークス | 3.395m | 1.475m | 1.78m |
デイズ | 3.395m | 1.475m | 1.64m | |
ホンダ | N-BOX | 3.395m | 1.475m | 2WD 1.79m 4WD 1.815m |
N-WGN | 3.395m | 1.475m | 2WD 1.675m 4WD 1.695m |
軽自動車を購入する3つのメリット
普通乗用車よりも小型で排気量の少ない軽自動車は、普通乗用車にはないメリットがあります。以下、3つのメリットを見ていきましょう。
(1)車の維持費が安い
車の維持費の一つに税金があり、車にかかる税金はおもに自動車税と自動車重量税の2つです。これらの税金は、普通乗用車よりも軽自動車のほうが安くなっています。
また、日々の運転のなかで必要となる維持費といえばガソリン代ですが、こちらも軽自動車のほうが安く抑えられる可能性があります。車種や性能によっても異なりますが、普通乗用車よりも軽自動車のほうが基本的に低燃費なためです。
その他、保険料や消耗品にかかる費用においても、軽自動車のほうが若干安く済む傾向にあります。総合的に見て、普通乗用車よりも車の維持費が安く抑えられる点はメリットの一つといえるでしょう。
(2)基本的に車庫証明が不要
普通乗用車の購入には、車庫証明(自動車保管場所証明書)が必要です。車庫証明とは、車を普段保管する場所を警察署に届け出るものですが、軽自動車は基本的に車庫証明がいりません。普通乗用車と軽自動車では、保管場所申請の窓口が異なるためです。
普通乗用車の保管場所窓口が国であるのに対し、軽自動車の保管場所窓口は各自治体です。保管場所の届け出(報告)は行なうものの車庫証明は不要であり、一つの手続きを簡略化できる点もメリットといえるでしょう。
ただし、地域によっては軽自動車であっても、車庫証明を必要とする場合があります。
例えば、次の3つのケースにおいては必要となります。
- 県庁所在地
- 人口10万人以上の市町村
- 都心部から30km圏内の市町村
自分が住んでいる地域では車庫証明が必要かどうか、事前にしっかりと確認しましょう。
なお、軽自動車の車庫証明の要否については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもご覧ください。
「軽自動車なら車庫証明はいらない?不要な地域や未提出による罰則も解説」
(3)駐車場のスペースが狭くても駐車できる
普通乗用車よりもサイズが小さい軽自動車は、その分駐車スペースも狭くて済みます。小回りもきくため、車の出し入れもしやすいでしょう。
駐車場によっては、スペースの狭さから小型車や軽自動車に利用を限定しているところもあります。そういった駐車場は、普通乗用車よりも料金を安く設定していることもあるため、費用の削減にもつながります。
このように、軽自動車特有のサイズによって駐車スペースを確保しやすい点や、それにともない料金負担が多少抑えられる点もメリットです。
軽自動車に必要な駐車場スペースのサイズはどのくらい?
軽自動車のメリットとして、狭い駐車場でもとめやすいことを挙げましたが、実際どのくらいのスペースが必要なのでしょうか。
一般的に、駐車場に必要なスペースのサイズには次のような目安があります。
普通乗用車:幅2.5m×長さ5.0m
軽自動車:幅2.0m×長さ3.6m
参照:国土交通省|駐車場設計・施工指針について
軽自動車の幅は1.475mなので、上記の軽自動車サイズのスペースにとめたとすると、そのスペースには幅0.525mほど余裕があることになります。しかし、上記のサイズはあくまでも駐車に必要な最低限のスペースです。
人が歩くために必要な幅は0.6mとされているため、少し狭いと感じるかもしれません。ドアの開け閉めや車の乗り降りも考慮し、もう少しスペースにゆとりのあるほうが利用しやすいでしょう。
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まとめ
軽自動車のサイズ規格では、全長・全幅・全高・排気量について細かく定められ、その規格は約70年の間に何度も改定を重ねてきました。
軽自動車は、普通乗用車に比べてサイズが小さく排気量も少ないものの、税金での優遇措置があり維持費も抑えられるため、低コストで所有できるといえるでしょう。また、狭い駐車スペースでも停めやすいというメリットもあります。
軽自動車の購入や駐車場選びの際には、この記事で紹介した軽自動車の規格サイズや駐車に必要なスペースなどの情報をぜひ役立ててください。