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自走式駐車場とは?種類や認定制度、建築基準法の制限について解説

土地を活用する手段として、平面駐車場に比べて利回りが高い「自走式駐車場」の運営を検討している方もいるのではないでしょうか。自走式駐車場を運営する場合は、認定制度や法規制についてしっかりと理解しておくことが必要です。

そこで、この記事では自走式駐車場の種類や認定制度、建築基準法による制限などを詳しく解説します。

自走式駐車場とは

「自走式駐車場」とは、目的の駐車スペースまで自ら車を運転して収容するタイプの駐車場です。通常、地上2階建て以上の階層で構成され、階層間での車の移動はスロープで行ないます。

自走式駐車場で一定の駐車可能台数を確保するには、ある程度の広い敷地がなければなりません。ただし、自走式駐車場の階層を3階建て、4階建てと増やすことによって、収容台数を増加させることも可能です。

自走式駐車場は災害時の避難所として活用されるケースもあるほか、平地に設けられた平面駐車場に比べて防犯効果が高くなりやすいという特徴もあります。また、自分で運転して車を出し入れするため、機械式駐車場に見られるような待ち時間も少なくなります。

自走式駐車場の種類

自走式駐車場には、大きく分けて「フラット式」・「スキップ式」・「連続傾床式」の3種類があります。それぞれの種類の特徴を以下で確認していきましょう。

フラット式

自走式駐車場のなかで最もスタンダードな形式で、各階層の駐車スペースがスロープによって連結されているタイプです。

名前のとおり駐車スペースの床がフラットなため、ベビーカーや車椅子でも移動がしやすいという特徴があります。病院や集合住宅、商業施設などの大規模な駐車場で採用されることが多い形式です。

スキップ式

フラット式と同様に床がフラットで、各階層の駐車スペースとスロープが半階分ずつずれているタイプです。フラット式よりもスロープが短くなるため、狭い敷地でも運用しやすくなります。小~中規模の駐車場に向いている形式です。

連続傾床式

床全体が傾斜しており、らせん状になったスロープと駐車スペースが兼ねられているタイプです。スロープを独立させる必要がないため、収容効率が高いという特徴があります。連続傾床式も、小~中規模の駐車場に向いている形式です。

自走式駐車場の駐車場タイプ

自走式駐車場には前述した3種類がありますが、さらに階層の多さによっておもに6つのタイプに分かれます。十分な敷地面積を確保できない場合でも、階層の多いタイプを選べば収容台数を増やすことも可能です。

1層2段

1層2段タイプは、駐車スペースが1階と屋上に設けられています。ほとんどがフラット式で、社員寮や集合住宅、コインパーキングなどに多く採用されているタイプです。

2層3段

2層3段タイプは、1階・2階・屋上部分が駐車スペースになっており、スキップ式・フラット式・連続傾床式のいずれも採用可能なタイプです。集合住宅や分譲マンションをはじめ、病院や公共施設などでも採用されています。

3層4段

3層4段タイプは、1階~3階と屋上部分が駐車スペースになっているタイプです。病院や公共施設、集合住宅などさまざまなシーンで採用されており、利用者のためにエレベーターを設置することも多くあります。

4層5段

4層5段タイプは、1階~4階と屋上部分が駐車スペースになっているタイプです。収容台数は800台ほどになるケースもあり、おもにアミューズメント施設や月極駐車場、時間貸駐車場で利用されています。

5層6段

5層6段タイプは、1階~5階と屋上部分が駐車スペースになっているタイプです。収容台数は1,000台を超えるケースもあり、低層の自走式駐車場を2棟建てるよりも、一般的には収容効率が良いと考えられるでしょう。おもに商業施設などの大規模駐車場として利用されるのが特徴です。

6層7段

6層7段タイプは、1階~6階と屋上部分が駐車スペースになっているタイプです。5層6段タイプと同様に、商業施設や空港などの駐車需要が見込まれる施設で大規模駐車場として利用されています。

自走式駐車場の認定制度

国土交通大臣が定める厳しい安全基準をクリアした駐車場は、「認定駐車場」と呼ばれます。2018年1月から開始された「認定品表示板制度」により、認定駐車場では駐車場の利用者に対して「安全基準をクリアし国の認定を受けた」ことの掲示が必要です。

認定駐車場は安全性が高いと認められ、いざというときの避難場所として機能することもあるため、身近にあると利用者に安心感を与えられるでしょう。

なお、駐車場の認定の種類には、以下の4種類があります。それぞれどういったことが認定されるのかを解説します。

一般認定

一般認定とは、国土交通大臣が定めたルールに基づいて建設されたことを証明する認定です。1層2段タイプから6層7段タイプまでの自走式駐車場に適用されます。

個別認定

個別認定とは、その自走式駐車場のみに適用される、限定的な認定の取得を指します。一般認定よりも自由度が高いものの、認定取得には約6カ月間という長い時間がかかります。

防耐火認定

防耐火認定は、3階建て以上の自走式駐車場が対象となる認定で、あらかじめ審査された防火材料を使用して建築していることを証明します。防耐火認定を取得すれば、固定式の消火設備が不要となるため、工事費用に要するコストを大幅にダウンさせることが期待できるでしょう。

型式適合認定

型式適合認定は、構造上の技術的基準に適合していることが審査された認定です。型式適合認定を取得すれば、構造計算適合判定の審査が免除されるため、建築確認申請に要する期間の短縮につながります。

自走式駐車場における建築基準法の制限

自走式駐車場は建築物扱いになるため、建築基準法を厳守しなければなりません。地域によって都市計画制限が設けられており、土地の属する用途地域に応じて、建設階層および車庫床面積が決まります。

  • 第1種・第2種低層住居専用地
    →独立駐車場の建設は不可。付属駐車場も地上1階までに限られる。
  • 第1種・第2種中高層住居専用地域
    →独立駐車場・付属駐車場ともに地上2階以下まで建設可能。
  • 第1種・第2種住居地域
    →独立駐車場・付属駐車場ともに地上2階以下まで建設可能。
  • その他の用途地域
    →建築基準法上の制限はない。

さらに、駐車場法で定められた、以下のような制限を受けるケースもあります。

  • 出入口の設置場所に関する制限
  • 出口の視認性確保に関する制限
  • 車路の幅や高さに関する制限
  • 換気装置に関する制限
  • 照明装置に関する制限     など

なお、特定路外駐車場とみなされる場合は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の対象となるため、届け出をしなければなりません(利用者が限定される場合を除く)。

この場合、駐車場内で高齢者や障害者などが円滑に移動できるような基準を満たし、それを維持することが必要です。また、駐車場を円滑に利用できるようにするための情報提供も求められます。

まとめ

自走式駐車場は、目的の駐車スペースまで自分で車を運転して収容するタイプの駐車場です。形式により、フラット式・スキップ式・連続傾床式の3種類に分けられるうえに、1層2段タイプから6層7段タイプまで階数もさまざまです。

自走式駐車場を運営する場合は、土地の属する用途地域によって制限を受けることや、認定駐車場となるための認定の種類などを理解しておく必要があるでしょう。

アットパーキング」では、ドライバー自ら駐車スペースまで運転して車をとめる「自走式駐車場」として、平面の駐車場も含めて取り扱っています。自走式駐車場の運営を考えているオーナー様や、駐車場情報の掲載を検討しているオーナー様は、アットパーキングへお気軽にご相談・お問い合わせください。

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