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車を2台持ちするメリット・デメリットと知っておきたい駐車場事情とは

夫婦それぞれが通勤に使う、高級車と普段使いで乗り分けるなどの理由で自家用車を2台保有している世帯は少なくありません。「車2台持ち」は便利ですが、当然費用面での負担は増えますし、駐車場の確保も気になるところです。

そこで本記事では、2台持ちを検討している方に向けて、車を2台持ちした場合のメリット・デメリットと駐車場事情について解説します。すでに2台持ちで、今より便利な駐車場を探している方も参考にしてください。

車の2台持ちをする世帯は意外と多い

「若者の車離れ」「シェアリングエコノミー」など、自動車を持つ人が減っているかのような印象の言葉をよく耳にしますが、実際のところ日本における乗用車の保有台数は減っていません。

また、「2021年度乗用車市場動向調査」によると、乗用車保有世帯に対する複数台保有世帯の割合は34.5%、2台保有世帯の割合は27.9%となっています。つまり、自動車保有世帯の約3割が複数台保有しているのです。

2019年の複数台保有率35.1%(2台保有率28.2%)、2017年の複数台保有率35.9%(2台保有率29.6%)と比較すると、わずかに減少傾向がみられますが、大きく変動しているわけではありません。

以上のことから、さほど車離れは進んでおらず、2台持ち世帯は意外と多いといえます。

出典:「統計・資料_四輪車」(一般社団法人日本自動車工業会)

「2021年度乗用車市場動向調査」(一般社団法人日本自動車工業会)

車を2台持ちするメリット

2台持ちのメリットは、便利さだけではありません。2台持ちを検討中の方に3つのメリットをお伝えします。

日常生活での利便性が高まる

第1のメリットは、日常生活の利便性向上です。世帯に運転免許保有者が2人いて車が2台あれば、同じ日時に別の目的で車を使えます。家族が車を使う予定があるかどうかを気にすることなく、時間を有効に使って自分の予定をこなすことが可能です。

さらに、用途・移動距離・荷物の量などで使い分けができるように車種を組み合わせれば、より便利さを享受できるでしょう。例えば、1台を通勤用、もう1台を休日のレジャー用とした場合、用途に合わせて車内を整えれば、より快適に乗車することができます。

車の価値を維持できる

1台を2人で使うより2台を2人で使うほうが、1台あたりの走行距離は短くなります。その分、部品の劣化が進まなくなるため、部品交換や修理の頻度は低くなるでしょう。2台持ちのほうが、1台あたりの修理費用を抑えられるということになります。

また、車が長持ちすれば買い替えの時期を遅らせることもできます。買い替えを遅らせない場合には、車の価値が維持されているため、高額で買い取ってもらえる可能性が高まります。

車検や故障時の代替車が不要になる

車を2台持ちしていれば、修理や車検のために車が使えなくても、必ずしも代替車を用意してもらう必要はありません。普段から乗り慣れている2台目を家族に空けてもらって使えば良いからです。

慣れない車を運転することがストレスになる人にとって、こういうときに2台持ちは好都合です。また、車が急に故障しても、もう1台あれば、さほど慌てずに済みます。

車を2台持ちするデメリット

車を2台持つと、当然ながらお金がかかります。また、自宅に2台分の駐車スペースがない場合には、駐車場を探さなければなりません。ここでは車2台持ちのデメリットについてみてみましょう。

2台分の購入費用がかかる

まず、車の購入費用を工面しなければなりません。車両代金以外にも税金・保険料・手数料などが必要で、それらの初期費用だけで車両本体価格の1割ほどにもなります。

購入費用を自動車ローンでまかなう場合には、毎月のローン返済額が家計へおよぼす影響を確認しておいたほうがよいでしょう。

維持費が高くなる

車を2台持ちすると、維持費も2台分かかります。維持費の内訳としては、自動車税・自動車重量税・自賠責保険料・任意保険料・車検費用・ガソリン代・駐車場代などがあります。

2台目を持つか持たないかを考える際に、維持費の負担を気にする方は多いでしょう。維持費がおおむねどのくらい増えるかについては、のちほど例示します。

2台分の駐車場が必要になる

車2台持ちになれば、2台分の駐車スペースが必要になります。駐車場を借りれば継続的に駐車場代がかかるほか、多くの場合、初期費用も必要です。

費用面だけでなく、駐車場の確保自体が難題になることもあります。地域によっては、駐車場を探すのが難しい場合があるからです。さらに、自宅から遠い駐車場や入出庫しにくい駐車場などを選ぶと、2台持ちの利便性が台無しになる可能性もあります。

車2台持ちの維持費はどのくらい?

普通車と軽自動車それぞれに1年間でかかる維持費は、おおよそ下表のようになります。この組み合わせで2台持ちした場合に必要な維持費は、1年間で合計約76万円です。なお、修理代・部品代は項目から除外しています。

普通車(1~1.5L以下) 軽自動車
(軽)自動車税 30,500円 10,800円 41,300円
自動車重量税 12,300円 3,300円 15,600円
自賠責保険料 10,005円 9,865円 19,870円
任意保険料 90,000円 70,000円 160,000円
車検費用(基本料) 25,000円 17,500円 42,500円
ガソリン代 140,000円 110,000円 250,000円
駐車場代 120,000円 120,000円 240,000円
427,805円 341,465円 769,270円

普通車と軽自動車の維持費を比較してわかるとおり、軽自動車と普通車の組み合わせで2台保有すれば、普通車2台の場合より維持費を抑えることができます。

自動車重量税は、エコカー減税が適用されていない場合の1年分の金額です。

自賠責保険料は、離島以外の地域(沖縄県を除く)で、2021年4月1日以降に始まる保険契約に適用される24カ月契約の基準料率を2で割った1年分相当額を記載しています。

表中の車検費用は、自動車重量税、自賠責保険料を含まない金額です。車検をどこで受けるかによって金額が異なるため、一つの目安とみてください。2年に1回の車検費用を2で割り、1年分相当額としています。

駐車場代は、地域によって大きな差がありますが、ここでは1カ月1万円としています。

任意保険料は運転手の属性などによって異なり、ガソリン代は自動車の使用状況などによって異なるため、表中の金額はあくまで一例です。また、2台持ちのガソリン代を2台分の単純合算としていますが、実際にはこれより少なくなると思われます。

また、表には載せていませんが、車検のない年には12カ月点検があります。12カ月点検の1回当たりの金額は、1.5L以下の普通車で1万円~1万6千円、軽自動車で9千円~1万2千円くらいが相場です。

車2台持ちの際の駐車場事情とは

続いて、車2台持ちの駐車場事情をみておきましょう。駐車場に求められる法的な要件と、駐車場を見つける方法について解説します。

2台持ちの場合は2台の車庫証明が必要

自動車を入手する場合には、保管場所手続きが必要です。道路を車の保管場所にさせないためで、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」に定められています。

自動車の保管場所手続きは、普通車と軽自動車とで異なります。
普通車の場合は、保管場所を管轄する警察署長から「自動車保管場所証明書」(車庫証明)の交付を受け、車両登録時に提出することが必要です。

軽自動車の場合はナンバープレート取得後、管轄の警察署長に保管場所を届け出ます。ただし、軽自動車の届け出には適用除外地域があり、それに該当すれば届け出は不要です。該当するかどうかは警察のホームページなどで確認できます。

仮に2台のうちどちらかが常に使われているため1台分のスペースで事足りるとしても、同じ場所を2台の保管場所として登録することはできません。そのため、2台目の車を手に入れる場合は、同時に2台目用の駐車場を確保しておく必要があります。

「自動車の保管場所」は、次の4つの要件を満たさなければなりません。

  1. 1.道路以外の場所であること
  2. 2.使用の本拠の位置(個人の場合、居住地)から2kmを超えないこと
  3. 3.自動車が通行できる道路から支障なく出入りでき、自動車の全体を収容できること
  4. 4.保管場所として使用できる権原(使用を正当とする法律上の原因)を有していること

(出典:自動車の保管場所の確保等に関する法律、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令)

保管場所の申請には、「使用権原」を証明するための書類が必要です。申請者自身の所有物件に保管する場合には「自認書」、駐車場を賃借する場合には「賃貸借契約書の写し」、その他の場合には「保管場所使用承諾証明書」などが使われます。

自動車の保管場所の確保等に関する法律

自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令

車を2台持ちする際の月極駐車場の見つけ方

使用権原、つまり「その場所に自分の車を置く法的根拠」が自動車保管場所の必須要件であるため、満車時に入庫できないような駐車場は保管場所として使えません。そこで、自宅敷地内などに駐車場が確保できない場合、月極駐車場を探して契約することが必要です。

月極駐車場の見つけ方には、以下の3つがあります。

  • 自宅近くを歩き回って探す
    効率の悪い方法ですが、問題なく駐車できるか目視で確認してから問い合わせができる点はメリットです。
  • 不動産会社に問い合わせる
    不動産会社は月極駐車場の管理を委託されていることが多いため、駐車場の情報を持っていると期待できます。そのため、自宅近くの不動産会社や自分が借りている物件の管理会社に相談すれば、良い駐車場が見つかるケースもあるでしょう。
  • 駐車場の検索サイトを利用する
    手軽に効率よく多くの情報にアクセスできる方法です。賃貸住宅サイトを使う感覚で、希望条件を入力して検索できます。ただし、ページがリアルタイムでメンテナンスされているとは限らないため、借りたい駐車場が見つかったら必ず最新の空き状況をサイト運営者に確認しましょう。

まとめ

車を2台持ちする場合のメリット・デメリットと、駐車場事情をみてきました。

2台持ちのメリットは3点挙げられます。

  • 日常生活での利便性が高まる
  • 車の価値を維持できる
  • 車検や故障時の代替車が不要になる

2台持ちのデメリットは以下の3点でした。

  • 2台分の購入費用がかかる
  • 維持費が高くなる
  • 2台分の駐車場が必要になる

車を2台持ちする際には、同時に駐車場を確保しなければなりません。
駐車場の見つけ方には3つの選択肢があります。

  • 自宅近くを歩き回って探す
  • 不動産会社に問い合わせる
  • 駐車場の検索サイトを利用する

駐車場の検索サイトを使えば、自宅にいながら幅広い情報収集が可能です。
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