月極駐車場に消費税はかかるの?条件や物件の違いによる扱いを紹介
2024.01.06
駐車場の賃料は、消費税がかかるケースとかからないケースがあります。
消費税がかかる場合、毎月の賃料が消費税分高くなるほか、消費税増税時に賃料が値上がりする可能性があるため、「駐車場を安く借りたい」と考えている方は注意が必要です。
この記事では、月極駐車場を借りる際に消費税が課税される条件や、物件による消費税の扱いの違いなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
月極駐車場を借りる際は消費税がかかる?
月極駐車場を借りる場合、目的は「土地を借りること」ではなく「(駐車場という)施設を借りること」と判断されるため、賃料には原則として消費税がかかります。一方で、何も手を加えられていない土地を借りて、駐車場として利用するだけなら、課税されません。
すなわち、月極駐車場の賃料に消費税がかかるかどうかを判断するには、その土地が次のように整備・管理されているかがポイントです。
- 地面を砂利/アスファルト/コンクリートで舗装している
- 駐車区画のラインを引いている
- 車止めを設置している
- 敷地にフェンスやロープを設置している
- 看板や照明、屋根を設置している
- 敷地内の車両を管理している
マンション・アパートの駐車場における消費税の扱い
一般的な月極駐車場の賃料には消費税がかかりますが、マンションやアパートに付随する駐車場の場合は、物件タイプによって消費税の扱いが異なります。
ここでは、賃貸マンション・アパートの駐車場と分譲マンションの駐車場について、課税の有無などを見てみましょう。
賃貸マンション・アパートの駐車場
賃貸マンションやアパートの駐車場の賃料は、原則として消費税がかかります。
ただし、非課税になる条件をすべて満たす場合は、課税されません。具体的な条件は、次のとおりです。
- 駐車場が賃貸マンション・アパートの敷地内にある(建物と駐車場が一体となっている)
- 入居者一戸につき1台以上の駐車区画が確保されている
- 家賃に駐車場の賃料が含まれている
- 家賃は車の所有の有無に左右されない
賃貸マンション・アパートの入居者用の駐車場だとしても、駐車場が敷地外にある場合は、(1)の条件を満たしません。また、車を所有していない入居者に割り当てられている駐車区画を、別の入居者に貸し出している場合も、(2)の条件を満たさないため消費税がかかります。
分譲マンションの駐車場
分譲マンションには、分譲マンションの所有者全員が組合員となって構成される「管理組合」が存在します。
分譲マンションの所有者から見て、管理組合は内部の組織であるため、管理組合と組合員との間の取引は「営業」行為に該当しません。したがって、分譲マンションの駐車場は、賃料の支払先が管理組合のケースにかぎり非課税です。
ただし、駐車場が分譲マンションの敷地外にある場合は、管理組合が一括借上げしている駐車場だとしても、支払先が敷地の所有者となることから消費税がかかります。
また、ケースによっては、管理組合が組合員以外に分譲マンションの駐車場を貸すことがあります。組合員以外が分譲マンションの駐車場を借りる場合も消費税がかかるため、注意しましょう。
月極駐車場の初期費用で消費税がかかるもの
月極駐車場を借りる際には、毎月の賃料のほか、契約時に初期費用を支払わなければなりません。月極駐車場の初期費用は、消費税がかかるもの・かからないものが混在しています。
以下で、月極駐車場の初期費用の内訳と、課税の有無などを見てみましょう。
初期費用の内訳 | 詳細内容と課税の有無 |
---|---|
賃料 | 月極駐車場の利用開始日が月初めの場合は、一般的に契約時に1カ月分の賃料を前払いします。月の途中から利用を開始する場合は、当月分の日割賃料と翌月分の賃料をまとめて支払うケースが大半です。いずれも毎月の賃料と同じ位置付けのため、原則として消費税がかかります。 |
礼金 | 月極駐車場の貸主へのお礼として支払う費用です。借主に返還されないため、賃料と同様に消費税がかかります。 |
敷金(保証金) | 万が一契約期間中に賃料を滞納したり、月極駐車場の設備を壊したりしたときに、貸主が損害を受けないようにするための費用です。契約期間中に何事もなければ借主に返還されるため、「不課税」です。 |
手数料 | 仲介手数料や事務手数料などが該当します。借主に返還されないため、消費税がかかります。 |
本来は課税対象である取引について、例外的に課税対象外とすることを「非課税」と呼ぶのに対し、「不課税」とは、そもそも課税されるべきでない取引を指します。敷金(保証金)は貸主へ一時的にお金を預けているだけであり、消費税を課税する根拠がないことから、不課税として扱われます。
月極駐車場の料金が変更になる可能性はある?
「消費税率が変わった際には賃料を変更する」など、消費税に関する内容が賃貸契約書に記載されている場合、増税にともない月極駐車場の賃料が値上がりすることがあります。
また、状況が変わり駐車場が非課税となる各種条件を満たせなくなったときも、課税対象となることで貸主の負担が増えるため、賃料が増額されるかもしれません。
なお、賃主の課税対象売上が1,000万円を上回る場合、貸主は納税義務者となります。納税義務者になると、他の条件に関係なく駐車場収入が課税対象となるため、賃料に影響をおよぼす可能性があることも覚えておきましょう。
理想の月極駐車場を探す方法
「なるべく安く月極駐車場を借りたい」「あとから賃料の値上げの可能性がある月極駐車場は避けたい」と考える方にとって、たしかに課税の有無は気になるポイントです。しかし、賃料の課税の有無だけでなく、利便性なども重視して月極駐車場を選んではいかがでしょうか。
月極駐車場を探す方法には、希望のエリアを実際に歩いて探す方法や、不動産会社へ足を運んで相談する方法もありますが、おすすめはインターネット検索です。
インターネット検索なら、自宅でも月極駐車場を探せて、エリアや特徴などの希望条件から候補を簡単に絞り込めます。賃料の比較もできるため、毎月の支出を抑えたい方も安心です。
日本最大級の月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」なら、全国4万5,000カ所以上の月極駐車場が掲載されています(2023年2月時点)。自分で検索するのはもちろん、スタッフに条件を伝えれば候補となる月極駐車場を探してくれるため、ぜひ活用してみてください。
まとめ
月極駐車場の賃料は、原則として消費税がかかります。初期費用として契約時に前払いする賃料や礼金、各種手数料なども課税対象です。ただし、契約期間中に何事もなければ返還される敷金(保証金)は、消費税を課税する根拠がないことから、不課税と扱われます。
また、以下のとおり、物件による消費税の扱いの違いも理解しておきましょう。
賃貸マンション・アパート | 以下の条件をすべて満たす場合のみ非課税です。 1.駐車場が賃貸マンション・アパートの敷地内にある 2.入居者一戸につき1台以上の駐車区画が確保されている 3.家賃に駐車場の賃料が含まれている 4.家賃は車の所有の有無に左右されない |
分譲マンション | 賃料の支払先が管理組合のケースにかぎり非課税です。 |
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