コインパーキングと月極駐車場を徹底比較!どちらが経営しやすい?
2024.11.01
所有している土地の活用方法として、駐車場の経営が挙げられます。マンションやアパートなどの経営とは異なり、駐車場経営は初期費用を抑えて始められるのが魅力の一つといえるでしょう。
一般的な駐車場経営としては、コインパーキングと月極駐車場の2つが考えられます。それぞれに適した経営方法や設備の整備に必要な費用などは異なるため、それぞれの違いに理解を深めることが大切です。
この記事では、コインパーキングや月極駐車場を経営する際のメリットやデメリット、どちらが儲かるかなど、経営を始めるうえで知っておきたいことを解説します。土地活用に駐車場経営を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
コインパーキングや月極駐車場経営の現状と将来性
近年、活用されていない土地を、駐車場として活用するケースが増加傾向にあります。マンションやアパートを建てる費用が用意できなかったり、将来自身の住宅を建てて住む予定があったりする際に、有効な活用法といえるでしょう。
一方で、カーシェアリングサービスの普及や少子高齢化による人口の減少により、駐車場の需要が低下するという不安を感じることがあるかもしれません。
一般社団法人全日本駐車協会「全国駐車場整備状況調査2020」(※1)によれば、車の保有台数は増加傾向にある一方で、車の保有台数に対し、駐車場の供給数は大幅に不足していることがわかります。これらから、今後も駐車場の需要が減る可能性は低いといえるでしょう。
また、総務省が公表する「住宅・土地統計調査」の2013年と2018年のデータ(※2)を比較すると、屋外駐車場の割合が高まっていることがわかりました。
つまりは、駐車場経営を行なう人の割合が増えているとも、考えられます。これには、駐車場経営が賃貸物件よりも初期費用を抑えられ、土地の形を選ばず活用の幅が広いことが関係していると考えられます。
手軽に始められる一方で、競合が多く失敗する可能性も考えられるため、経営を始める前に戦略を練っておくことが大切です。
※1 出典:一般社団法人全日本駐車協会「全国駐車場整備状況調査2020」
※2 出典:総務省「平成25年住宅・土地統計調査 確 報 集 計 結果の概 要」
総務省「平成 30 年住宅・土地統計調査 土地集計 結果の概 要」
コインパーキングと月極駐車場の経営方法は3種類
駐車場を経営する方法として、おもに以下の3つの方法が挙げられます。
- 自主運営
- 一括借り上げ方式
- 管理委託方式
自主運営は、オーナー自身が初期投資から運営管理までを手がける方法です。ランニングコストや手間はかかるものの、委託料などが必要ないため、得られた収益が多ければ多いほど稼げる方法といえます。
一括借り上げ方式は、サブリースとも呼ばれる方法です。運営会社に土地を貸し、駐車場経営をしてもらいます。管理の手間がかからず、安定的に収入を得られるのが魅力です。
管理委託方式は、駐車場の管理を運営会社や不動産会社に委託してオーナーが経営する方法です。管理委託料はかかりますが、管理の手間が省けることや、遠方の土地でも経営しやすいといったメリットがあります。
なお、コインパーキングの経営を行なう場合は専用の設備が必要になるため、業者を挟むのが一般的です。一方、月極駐車場は設備のメンテナンスやトラブルが少ないため、自主運営しやすい方法といえます。
コインパーキングを経営するメリット・デメリット
ここでは、コインパーキングを経営するメリットとデメリットを紹介します。コインパーキングの経営に興味のある方は、理解を深めましょう。
メリット
短時間の利用を想定しているコインパーキングは、立地が良ければ稼働率を高められる可能性があります。変形地や狭小地など、活用しづらいと思われるような土地でも経営が可能です。
一括借り上げ方式や管理委託方式では、トラブル対応やメンテナンスの手間がかからないため、忙しい人でも安心して経営できるでしょう。また、一括借り上げ方式は稼働率に対する不安を感じることなく、毎月安定的な収入が得られるのも魅力です。
自主運営の場合は業者を挟む必要がなく、収入のすべてを自身で得られるメリットがあります。近隣状況を考慮した料金設定など、需要と供給を見極めることで稼働率の高い経営を実現し、収入を増やせる可能性が高まるでしょう。
デメリット
コインパーキングは時間貸しシステムのため、ゲート式とロック式どちらかの設備を採用することになります。出入り口のゲート・フラット板・照明・精算機など、設備を整えるために初期費用が大きくなるため、自主運営で始める際は注意が必要です。
一括借り上げ方式の場合は、初期費用を抑えられる反面、賃料以上の収入が得られないというデメリットがあります。管理委託方式の場合も、管理委託費を支払わなければならないため、自主運営よりも収入は少なくなることを理解しておかなければなりません。
自主運営の場合は、トラブルが発生した際に自身で対応しなければならないことがデメリットといえるでしょう。前述したように、コインパーキングの運営では業者を挟むのが一般的ですが、その業者とオーナー間でトラブルが発生する可能性があることにも注意が必要です。
月極駐車場を経営するメリット・デメリット
ここでは、月極駐車場を経営する際のメリット、デメリットを紹介するので、コインパーキングのメリット、デメリットと比較してみましょう。
メリット
月極駐車場では、1カ月単位で賃料を受け取れます。長期的な契約を結ぶことが多いため、安定的に収入を得られることや、未払いが少ないというメリットがあります。
また、月極駐車場の場合は、コインパーキングのようなフラット板や精算機を整備する必要がありません。そのため、いつでも始められたり初期費用を抑えられたりと、経営するうえでのハードルが低い傾向にあります。
賃貸物件で土地活用する場合は、借り主が住み続けたいと思っているうちは契約解除が困難です。その点、駐車場経営なら、利用契約が終了した時点で土地の転用が可能なため、将来的に自身の住宅を建てるなど、土地を活用しやすい点もメリットといえるでしょう。
デメリット
駐車場経営では、不法投棄や違法駐車などのトラブルが発生する可能性があります。月極駐車場は、コインパーキングのように一括借り上げ方式を採用したり、管理委託方式を採用したりせず、自主運営で経営する人も多いでしょう。その際は、こまめに巡回する、あるいは防犯カメラを設置するなどの対策を講じることが大切です。
月極駐車場の場合、ユーザーは中長期的に継続利用するケースが多いため、快適に利用できる環境が好まれる傾向にあります。変形地や狭小地でも活用できるのが駐車場経営の魅力ではありますが、月極駐車場の経営にはあまり適さないケースもあるでしょう。
また、借り手が見つからず、長期的に空スペースが発生する可能性があります。立地条件を考慮して経営を始めるなど、経営を継続するための対策が必要です。
コインパーキングと月極駐車場ではどちらが儲かる?
駐車場経営では、「表面利回り」と「実質利回り」を計算することで、大まかな収益率の把握が可能です。
表面利回りは、年間の収入と物件価格から算出します。一方の実質利回りは、年間の家賃収入と物件価格以外にも、管理会社に支払う費用や税金など、経営に必要な経費を考慮して算出するものです。そのため、正確なキャッシュフローを把握する際に役立ちます。
駐車場経営の一般的な利回りは、表面利回りおよそ3%~5%、実質利回りおよそ2%~4%が相場といわれています。
ここからは、コインパーキングと月極駐車場それぞれの利回りについて考えていきましょう。
コインパーキング
コインパーキングは、稼働率が高いほど収入が増えるため、収益性の高い経営といえます。しかし、運営するためには機械設備を整えたり、設備のメンテナンスが必要だったりと、ランニングコストが発生することを考慮しなければなりません。
稼働率を高められれば、月極駐車場よりも高い利回りが期待できるケースもあるでしょう。そのためには、経営前に周辺環境をリサーチし、コインパーキングの需要が高い場所か、競合は少ないかなどの確認が大切です。
月極駐車場
月極駐車場の場合、基本的には「貸し出し駐車区画数×賃料」が売上になります。利回りを上げるためには、より多くの区画数を確保したり、空室の期間が短くなるように対策を講じたりするのが有効です。
一般的な平面駐車場であれば初期費用を抑えられるため、コインパーキングよりも利回りが高くなる傾向にあります。また、駐車場の土地を相続で得た場合も、初期費用が抑えられるため、コインパーキングよりも高い利回りが期待できるでしょう。
まとめ
有効な土地活用方法として、コインパーキングや月極駐車場の経営が挙げられます。
コインパーキングを経営する際は業者を挟むのが一般的で、委託費用や機械設備を整備する費用、メンテナンス費用がかかることを理解したうえでの経営が大切です。
一方で、月極駐車場は自主運営でも経営しやすいだけでなく、初期費用や整備する費用などを抑えて経営を始められます。初期費用を抑えられた場合、コインパーキングよりも高い利回りが期待できるでしょう。
月極駐車場を経営する際は、掲載料無料の「アットパーキング」へお気軽にご相談ください。費用を抑えながら、利用者獲得のお手伝いをいたします。
※成約時は賃料1カ月分の紹介料がかかります。