PHEV・EV車の充電費用はいくら?種類別の費用・時間目安や費用を抑えるコツを解説
2024.12.31
環境性能に加えて、ガソリンと比べてランニングコストが抑えられることもPHEV・EV車の魅力です。
PHEV・EV車の充電にかかる費用の目安は、自宅充電と公共の充電スポットの利用で違いがあります。
この記事では、PHEV・EV車の充電の種類、充電にかかる費用や時間の目安、費用を抑える3つのコツを解説します。できるだけ経済的にPHEV・EV車を所有したい方は、本記事を参考にしてください。
※本記事内の掲載情報は2023年4月時点の情報です。
PHEV・EV車の充電方法はおもに2種類
PHEV・EV車の充電方法は、おもに「公共の充電スポットを利用する」と「自宅の充電設備を使う」の2つです。まずは、それぞれの特徴について、メリット・デメリットを交えて解説します。
公共の充電スポットを利用する
PHEV・EV車の普及にともない、全国的に公共の充電スポットの整備が広がっています。例えば、カーディーラーや商業施設、コンビニ、高速道路のサービスエリアなどに設置してある充電スポットを使って、PHEV・EV車を充電することができます。
公共充電スポットを利用するメリットは、高出力の急速充電によって、大幅に時間を短縮して充電できる点です。
デメリットは、充電のたびに公共の場に赴かなければならない点ですが、ガソリン車と同等の手間と考えれば、不便というほどでもないでしょう。
ただし、利用できるのは施設の営業時間内になるため、深夜や早朝には充電できない場合もあります。また、混雑時には順番待ちが発生します。
自宅の充電設備を使う
自宅の駐車場などに充電設備を設置するケースも増えています。PHEV・EV車を自宅で充電する際は、基本的に200Vの普通充電を利用することになるでしょう。
メリットは、充電スポットの営業時間などを気にせず、こまめに充電できる点です。
一方、デメリットは基本的に普通充電のため時間を要する点と、充電設備の設置に費用がかかる点が挙げられます。ただし、自宅であれば寝ている時間を使って充電できるので、充電時間の長さについては、さほど問題にならない場合も多いでしょう。
また、自宅向けの充電設備の導入ハードルは、住まいのタイプによって大きく異なります。一戸建ての場合は、任意で設置を検討できますが、月極駐車場や集合住宅の駐車場などを利用するケースでは、管理会社などへ工事の許可取りが必須です。
PHEV・EV車の充電にかかる費用と時間の目安
続いて、PHEV・EV車の充電にかかる費用と時間の目安について、充電スポットと自宅充電の2つのタイプごとに解説します。
充電スポットの場合
まずは、充電スポットを利用した場合の費用と時間の目安についてお伝えします。
・充電スポットの費用目安
充電スポットの費用は、充電にかかった時間に応じて課金される仕組みが基本です。東京電力グループのe-Mobility Power会員の場合は、月額料金制の「急速充電プラン」「普通充電プラン」「急速・普通併用プラン」を選べるほか、都度利用することもできます。
都度利用の料金は、急速16.50円/分(税込)、普通2.75円/分(税込)です。例えば、急速充電を30分利用した場合は、495.0円(16.50円×30分)かかる計算となるでしょう。
ただし、2023年7月1日以降に料金体系が変わり、都度利用料金について、急速27.5円/分(税込)、普通3.85円/分(税込)に値上がりする予定です。
・充電スポットの時間目安
充電スポットのみが対応している急速充電を利用する場合、設置されている充電器の出力によって、所要時間は変動します。
また、充電器のスペックに加えて、外気温や車種などによって充電される電力量が変わってくる点についても留意しなくてはなりません。
そのうえでの急速充電にかかる目安時間は、出力が20kWの場合で30~60分程度、40kW~50kWの場合で15~30分程度です。
ただし、急速充電器の充電時間は、原則1回30分までと決められています。さらに、バッテリーを保護する観点からフル充電は推奨されておらず、急速充電器での上限は充電量80%程度が目安となります。
自宅充電の場合
次に、自宅充電の場合の費用と時間の目安を解説します。
・自宅充電の費用目安
電力量に応じた費用がかかってくるのが、自宅充電の特徴です。電力会社や契約しているプランによって電気料金は変わりますが、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している目安単価は31円/kWh(税込)です。
一例として、日産自動車のEV車であるリーフ(40kWhバッテリー搭載車)を自宅充電する場合、満充電にするための電気代は1,240円と計算できます。
ちなみに、日産自動車の公式サイトには、40kWhバッテリー搭載車の充電走行距離は322km(WLTCモード)と記載されていました。充電走行距離は、使用環境や運転方法などによっても変わってきます。
・自宅充電の時間目安
自宅充電の場合は、普通充電の利用が基本となります。
まず、前述のリーフ(40kWhバッテリー搭載車)のケースを見てみましょう。公式サイトによると、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から、満充電にするまでの時間は、200V 15A(充電能力3kW)で約16時間、200V 30A(充電能力6kW)で約8時間です。
三菱自動車のPHEV車であるアウトランダー(型式:GG3W)の時間目安は、公式サイトによると、200V 15Aで約4.5時間、100V 10Aで約14.5時間です。こちらは、駆動用バッテリー残量計が1目盛りの状態から満充電に要する時間と記載されています。
PHEV・EV車の充電費用を抑える3つのコツ
最後に、3つの利用シーンごとに、PHEV・EV車の充電費用を抑えるためのコツを紹介します。
【充電スポット】適切な充電カードのプランを選ぶ
公共の充電スポットを利用する際は、充電カードによる認証が必要なケースがほとんどです。
充電カードは、PHEV・EV車を提供している各自動車メーカーが発行しているもの、もしくは「e-Mobility Power」が発行しているものなどがあります。自動車メーカーが発行する充電カードは、一部を除き、PHEV・EV車の購入者しか利用できません。
料金の目安ですが、PHEV・EV車を提供する三菱自動車の場合、充電カードのベーシックプランは月額550円(税込)、プレミアムプランでは月額1,650円(税込)で利用できます。
高速道路やコンビニなどの充電スポットで急速充電する際には、ベーシックプランが13.2円/分(税込)、プレミアムプランが8.8円/分(税込)と、加入プランによって費用負担が変わります。
毎月の走行距離や急速充電の頻度などに合わせて、よりお得なプランを選びましょう。
【自宅充電】適切な電力プランを選ぶ
自宅充電の場合には、電力会社や契約プランをしっかり選ぶことで、費用を抑えられる可能性があります。
深夜時間帯のみ、電気料金を引き下げているプランを提供している電力会社もあるため、事前に調べておくとよいでしょう。
例えば、idemitsuでんき(東京電力エリア)の「オール電化プラン」を適用できる場合、午前1~6時の電力量料金が割安になります。
前述のとおり、集合住宅の駐車場や月極駐車場の場合は、自宅充電設備の工事に関する事前の許可取りから始めなくてはなりません。
電費・燃費を意識して走行する
エコドライブを意識して運転すると、電費・燃費が良くなり、結果的に充電費用を抑えることにつながります。
具体的なコツは、極端な速度変化を行なわないために、急発進などを控えることです。
また、エアコンは想定以上に電気を消費します。特に注意したいのが、外気温と車内温度の差が大きい冬場の暖房です。暖房の設定温度をやや低めにしたり、エアコンより消費電が小さいシートヒーターを活用したりして、消費電力を抑えましょう。
まとめ
自宅に充電設備を設置すると、外出の手間なく、こまめに充電できます。ただし、集合住宅への新規導入ハードルは高めです。
また、一戸建てであっても、短期間の間に引越しをしたり、別の車種に乗り換えたりした際には、設置費用の元を取れない場合があります。
PHEV・EV車の日々の充電には、充電設備付きの月極駐車場を探すのも手です。充電設備付きの月極駐車場をお探しの方は、「アットパーキング」へお気軽にお問い合わせください。