土地が狭いけれど駐車場をつくりたい!起こりうる問題や対策を紹介
2022.12.28
自宅の土地が狭いけれど車を所有しているため、なんとか駐車場をつくりたいという方もいることでしょう。土地が狭い場所で駐車場をつくる際には、起こりうる問題点を理解したうえで、適切な対策を講じる必要があります。
本記事では、購入しようとしている住宅の土地が狭い車所有者の方に向けて、駐車場をつくる前に確認しておくべきことや起こりうる問題点、対策を解説します。
土地が狭い場所で駐車場をつくるときに確認しておくべきこと
まずは、狭い場所に駐車場をつくる際に、確認しておくべきことを紹介します。必要な駐車スペースを確保できるかどうかは、次の2点がチェックポイントです。
車の大きさから適切な駐車スペースを把握する
所有している車の車種によって、必要な駐車スペースは異なります。
車種ごとに必要とされる駐車スペースの大きさは、国土交通省が提供する資料「駐車場設計・施工指針について」で、以下のように記載されているので参考にしてください。
車種 | 長さ | 幅員 |
---|---|---|
軽自動車 | 3.6m | 2.0m |
小型乗用者 | 5.0m | 2.3m |
普通乗用車 | 6.0m | 2.5m |
これに対し、車種ごとのサイズ(全長と全幅)は「道路運送車両法」で、以下のように定められています。
車種 | サイズ(全長と全幅) |
---|---|
軽自動車 | 全長3.4m、全幅1.48m以下のもの |
小型乗用者 | 全長4.7m、全幅1.7m以下のもの |
普通乗用車 | 上記の小型乗用車より大きいもの |
つまり、国土交通省の定めるサイズの駐車スペースがあれば、車庫入れに必要なゆとりや通行スペースも確保可能といえるでしょう。
敷地周辺の形状なども確認する
土地が狭い場所に駐車場をつくる際は、周辺環境の影響も受けます。例えば、間口や前面道路の広さなども考慮したうえで、安全にとめられる駐車スペースを確保する必要があります。
また、車は構造的に直角には曲がれないため、駐車場に出入りする際の回転半径も考えなくてはなりません。前面道路の幅が狭いほど、駐車場の間口には広さが求められます。特に大型車など回転半径の大きな車では、十分な間口が必要でしょう。
土地の広さや形状によっては、縦列駐車や並列駐車、直角駐車など、駐車方法も工夫しなければならないでしょう。
土地が狭い場所に駐車場をつくる際の問題点
ここからは、狭い土地に駐車場をつくる際に起こりうる問題点について解説します。土地が狭い場合には、次の3つの問題が考えられるでしょう。
エクステリアは期待できない
土地が狭い場所に駐車場をつくる場合、フェンスや塀といったエクステリア面での制約を受けやすくなります。
エクステリアには家全体の見た目が良くなるだけでなく、家のセキュリティ向上や駐車場の機能性向上などのメリットもあります。例えば、家の中を見られないように周りを背の高いフェンスで覆ったり、駐車場に屋根を付けたりできるでしょう。
しかし、フェンスや塀、屋根を支える柱などの設置にもスペースが必要です。狭い土地では、駐車場の敷地をほぼ駐車スペースとして利用せざるを得ないケースが多く、エクステリアを充実させることは難しいといえます。
車のとめ方によって確保できる居住スペースに違いがある
家を建てる際の設計は、車をとめる位置や台数などから着手することが大事です。駐車方法によって、確保できる居住スペースやポストの位置などは異なります。一度つくってしまうと駐車場は動かせないため、快適に利用できる駐車方法を慎重に検討しましょう。
車のとめ方は、おもに「直角駐車」「並列駐車」「縦列駐車」の3つです。
3つのうち特に定番とされているのが、道路に対して直角に車をとめる直角駐車です。横のスペースを広く取ることで、2台分の駐車スペースを確保できます。ただし、入り口付近にポストやインターフォンがある設計では、車の出し入れがしづらいでしょう。
並列駐車にすれば、駐車場の奥行きをあまり取らずに済みますが、この方法では基本的に2台とめるのは難しくなります。
縦列駐車は、車が2台あり横並びにするスペースがないときに有効です。ただし、2台目の出し入れがしづらいため、よく使うのは1台だけという場合に適しています。
車の乗降時やバックドアの使用に注意が必要
土地が狭い場合は、乗降時や荷物の出し入れの際にも注意が必要です。ドアのサイズは車種によって異なり、ドアが大きいと開けたときに周囲の人や建物にぶつけてしまう可能性があります。ドアの開閉スペースが心配な場合は、スライドドアの車種を検討するのも一つの手です。
バックドアを開閉する際も困らないよう、車の後方にもゆとりをもって敷地を確保しましょう。バックドアが跳ね上げ式の場合は、後ろに1m程度のスペースが必要となり、より広さを確保しなければなりません。
土地が狭い場所で駐車場を利用するための対策
土地が狭くても、駐車場をつくりたい人におすすめの方法を2つ紹介します。それぞれのメリットとデメリットも含めて解説するので、自分にとってどちらのほうが大きいかをよく比較してください。
ビルトインガレージにする
ビルトインガレージとは、家の一部分と駐車スペースとが一体になったガレージのことです。ガレージに車をとめてそのまま家に入れるため、悪天候時の車の乗降や荷物の持ち運びを快適に行なえます。
また、大切な車を雨風や盗難などの被害からも守る効果も期待できます。狭い土地で居住スペースと駐車スペースとを両立させたい方、車を大事にしたい方には、検討する価値が高い方法といえるでしょう。
ただし、耐震性を高める必要があるため、建築費用が高くなる可能性があります。加えて、床面積や設備によって、固定資産税が変動するため注意が必要です。
ガレージスペースが延べ床面積の5分の1以下であれば、床面積に含まないという緩和措置がありますが、ガレージの設備によっては固定資産税の評価対象になります。
軽自動車を利用する
土地が狭くても、軽自動車なら駐車できる可能性があります。軽自動車は、狭い道でも比較的楽に通れたり、スーパーなどの軽自動車専用の駐車スペースを使えたりするのがメリットです。また、普通車より税金が安いため、維持費も安く抑えられます。
ただし、大人が数名乗車した場合には、窮屈に感じることが多いでしょう。また、排気量が少ないため、特に坂道や高速道路の走行にはパワー不足を感じることも想定されます。万が一、事故が起こった場合には、衝突時の安全性が低い点にも注意が必要です。
例えば、おもに最寄り駅への送迎など近隣への行き来に車を使う、2人以上では乗らないという人は、デメリットよりもメリットのほうが大きいのではないでしょうか。
土地が狭い場合は月極駐車場の利用も検討する
土地が狭い場合、駐車スペースの確保には工夫が求められます。無理に駐車場をつくろうとすると、デメリットが生じる可能性もあるため、注意しなくてはなりません。快適に利用できる駐車スペースの確保を優先した結果、居住スペースが制限されるケースもあります。
家を建てた数年後に、庭に駐車場をつくることも可能ですが、手間やお金がかかります。車庫証明を取るためには、車全体を収容できるスペースの確保が必要にあり、門や塀を撤去しなければならない可能性があるためです。舗装費用もかかるでしょう。
また、軽自動車をとめるスペースしか確保できない場合、それより大きな車種には乗れません。
これらのデメリットを踏まえると、土地が狭い場合には、近くにある月極駐車場の利用を検討するのが賢明です。
まとめ
狭い土地でも、車のとめ方を工夫したり、ビルトインガレージにしたりすることで、自宅に駐車場をつくることは可能です。ただし、その他の要件にしわ寄せがくる可能性があります。
車種を妥協する、居住スペースが狭くなるなどの不都合が生じそうな場合には、近くにある月極駐車場の利用も検討してはいかがでしょうか。
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